武蔵野美術大学実験区は、造形教育を通じて得たクリエイターシップを持つ武蔵野美術大学の学生と他分野の学生や社会人をつなぐことで化学反応を起こし、描いたビジョンを、クリエイティブとビジネスの手法を用いて社会実装するのが特徴の創業支援プログラムです。
「美大にしかできない、創業の場づくり」を掲げ、企業や他大学との連携を積極的に推進し、様々なバックグランドを持つ者同士で対話を重ね、新たな事業の創出を目指します。
【武蔵野美術大学実験区の3つの特徴】
武蔵野美術大学実験区は、単なる起業の場ではなく、創造力を原動力に、未来の社会の在り方そのものをデザインする場の創出を目指しています。
1.創造性を活かした新たな価値創造へとつながるチーム組成
美術大学ならではの「造形教育」を背景にした創造的思考を学んだ美大生と、他分野の学生や社会人とのコラボレーションによる多様性の融合が、独自のアイデアを生み出すのではないかと考えています。これは、一般的な創業支援プログラムでは得られない、革新的な価値創造へとつながる可能性を持った、美大にしかできないチーム組成のあり方だと考えています。
2.CREATORSHIPを核とした人材育成
起業に向けた単なる知識やスキル習得ではなく、「クラフトマンシップ」と「アントレプレナーシップ」を組み合わせた「CREATORSHIP」という独自の概念を育むことで、社会に貢献できる創造的リーダーを育成を目指しています。
プログラムの参加者が、単なる起業家やクリエイターを超えて、社会課題を解決する担い手として成長していくことを期待しています。
3.個の発意を起点にビジョンを育む企画術
一人称視点から出発した物語を、三人称視点「社会に広く伝わる物語」へと昇華する「ナラティブモデル」という独自の企画術を用いてビジネスデザインを進めていきます。
個人の経験や視点を背景とした「当事者としての物語」の深掘りからスタートするこの企画術は、美大教育と共通するプロセスを含んでいます。
【CREATORSHIPについて】
CREATORSHIPとは、武蔵野美術大学が創業支援プログラムで掲げるコンセプトです。
このコンセプトは、よいものづくりで世の中に貢献するために鍛錬し続けるクラフトマンシップ(Craftsmanship)と、起業家精神であるアントレプレナーシップ(Entrepreneurship)の融合から成り立っています。
また、CREATORSHIPは、単なる技術や知識の組み合わせではなく、「創造力」「実践力」「共感力」を核にした、人と社会をつなぐ新しい価値観です。 アート・デザイン・ビジネスという枠組みを超えて、教育、地域振興、産業創出といった多様な分野での応用の可能性も持っています。
【CREATORSHIP PROGRAMについて】
「CREATORSHIP PROGRAM」は、アイデア創出から社会実装までを一貫してサポートするプログラム設計になっており、各ステップには美大独自の思考プロセスのノウハウが詰まっています。
①BUSINESS DESIGN WORKSHOP
アイデア創出ワークショップ
個人的な経験や視点を深掘りし、本質的なアイデアを引き出す
個人の経験や視点を深掘りし、一人称視点「当事者としての物語」を起点とするビジネスアイデアを発想するワークショップ。参加者が自身の価値観や課題感を明確にすることで、オリジナリティの高いプロジェクトの核を生み出します。
②MAU SOCIAL IMPACT AWARD
ビジネスデザインアワード
描いたビジョンを社会に問う
一人称視点から出発した物語を、三人称視点「社会に広く伝わる物語」へと昇華し、描いたビジョンを社会に問うビジネスデザインアワード。このプロセスを通じて、アイデアを共感と支持を得られるビジョンへとアップデートさせることを目指します。
③ACCELERATION PROGRAM
アクセラレーションプログラム
ビジョンを社会実装するための実践的な支援
メンターや企業・自治体とのマッチングをサポートし、ビジョンの社会実装を加速させるアクセラレーションプログラム。ビジョンを具現化するプロセスでは、事業化のスキルや資源(資金、人材、技術)へのアクセスが不可欠であり、それらをバックアップします。
【ナラティブモデルについて】
ナラティブモデルとは、一人称視点「当事者としての物語」を、二人称視点「対話のプロセス」から紡ぎ出し、個人の経験や価値観を社会的な課題と結びつけ、三人称視点「社会に広く伝わる物語」へ昇華し、その解決に向けたビジネスやプロジェクトに変換し、社会的インパクトを生み出す、本プログラムが独自に開発した企画術です。 武蔵野美術大学実験区のCREATORSHIP PROGRAMは、このナラティブモデルの手法を用いて新たな事業の創出を目指しています。